ゴスロリのルーツ

ゴスロリ(ゴシックロリータ)のルーツ

ゴシック発祥

 ヨーロッパ・イタリア発の中世の文化として誕生しました。
 イタリアではあまり受け入れられなかったようですが、イタリアより北の国々
に広まって定着したようです。
 日本でのゴシックは、ヨーロッパの様な絶対的な歴史的基盤が無いので和洋混
在の現在でもあまり一般的ではないと思われます。
 中世西洋の貴族や教会のスタイルとして、昔の異国文化としてイメージされる
のが一般的だと思います。
 江戸川乱歩等の怪奇推理小説として猟奇的、怪奇的事件の背景色として人気を
得ました。
 この辺りから、日本では西洋の魔女狩りや吸血鬼伝説や権力戦争に敗れた貴族
のような、ダークなイメージが大きくピックアップされたような気がします。


日本での浸透

 本格的に「ゴシック」感覚が浸透して来たのは1980年代と思われます。
 当時の一般的なファッションは、ワンレン、ボディコンなどでした。
 1980年代の音楽の多様化により、クラブカルチャーは全盛を極めました。
 個性的なバンドを始め洋楽が日本にも広く多く普及しました。
 その波に乗って、ロック、ポップ、パンク、そしてダークなバンドも次々に上
陸し、後の日本のバンドに大きな影響を与えました。

 1985年から1990年頃にバンドブームが興り、日本のバンドは多くのジ
ャンルに別れていました。
 主なものは、ナゴムレコードで、ケラの有頂天系の「有頂天、筋肉少女隊、等」、
トランスレコードで、北川昌士のYBO2系の「YBOYBO、アサイラム、等」、他にも
セルフィッシュレコード、キャプテンレコード、ティンドラムレコード、等があ
りました。
 それぞれのバンドの追っかけも、独自のファッションをしていました。

 ナゴムは中高生に人気があって、ナゴムギャルと呼ばれ、彼女達はカワイイ格
好をしていました。子供っぽくポップな感じ(中にはランドセル背負ったり)で、
ロリータファッションの元祖だと思います。
 ナゴムギャルからロリータパンク系に変わっていきました。
 黒服系のパンクスタイルのバンドが多い中、シャズナの結成頃から、ロリータ
スタイルも華やかになりました。

 トランスはトランスギャルと呼ばれていました。
 可愛さと残酷さ持つ少女漫画が現れ、ロリータスタイルもダークなイメージの
ものが出てきました。同じ頃、Xジャパンなどのエレガントなメタルファッショ
ンのビジュアル系バンドが流行りました。マリスミゼルがこの2つの要素と中世
のゴシックホラーのファッションを取り入れました。
 この辺りの3つの要素から、ゴスロリファッションが確立されたのがはじまり
のようです。


ファッション化

 さらに、ファッション業界においても、黒や赤などのダークカラーのなネイル
やリップが流行になりました。シャネルなどの一流ブランドがそれらを発売する
と、オシャレとして広まり、一般化しました。
 ゴシックのコワイ、排他的というイメージは、エレガントな高級感あるという
対極的な要素も含むファッションセンスとして現在にも流れています。
 ヨーロッパ・イタリア発のゴシックスタイルは、日本のバンドやパンクファッ
ションの人々から輸入され、日本独特のファッションとしてゴスロリにアレンジ
され現在に至っています。

 ゴスロリお嬢達は、マリスミゼルがメジャーデビューした1993年頃までは、
ビジュアル系のライブ会場で見かけました。多くは、ビジュアル系バンドを好む
お嬢が着ているようです。なぜか、タカラヅカを好むお嬢は見たことがないです。
 ヘッドドレス、姫袖、フリルブラウス、パニエりスカート、ハイソックスが定
番です。

 ロリ服やパンク服に憧れるお嬢の多くは学生さんで、お金が無くてブランドの
服を買うのは大変な出費です。それっぽい雰囲気の服を選んで着たりするお嬢が
多いです。
 もとより、ビジュアル系やバンド系などは、個性や自分らしさを元に生きるス
タイルでもあります。ルーツと創始者の心を知れば、ブランドの魅力や他人と同
じ物を求めずとも、自分のいいと思うゴスロリスタイルでを楽める事が、ゴスロ
リの基本と思っています。



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